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ひいばあちゃんの帯

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祖母の母の帯です。
 
数年前、祖母の箪笥の上置きから見つけました。
祖母によると、曾祖母が嫁入りの時に持ってきたものだそうです。
それを、6人の兄弟姉妹の長女だった祖母が嫁ぐときに、
「他の姉妹には内緒だよ」
と言って、渡されたそうです。
 
当時はこのような感じの帯はよくあったらしく、アンティークとしての価値は高くないようですが、上記のような由来もあり、私は好きな帯です。
 
 
ところで、この帯、発見したときには一度も締められた跡がありませんでした。
 
なぜ一度も締められていなかったのかというと、祖母いわく、
「昔の人間だから」。
 
この帯を見ると、地味な色合いなのに、ところどころに金糸銀糸が織り込まれています。
「ちょっとおでかけ」する時の「ちょっといい帯」という感じだったのでしょうか。
 
けれども、祖母の実家も農家で、農家の主婦が帯付き姿で出かけることはあまりなく、たいていの場合、半幅帯に羽織で済ませられたようです。
それ以上の装いをしなくてはいけない場合は、婚礼に使った丸帯が引っ張りだされたようです。
それで「ちょっといい帯」の出番はないまま、90年ばかり箪笥の肥やしになり続けていたようです。
 
 
さて、この帯ですが、お太鼓の柄が逆になっている「引き抜き帯」で、裏には黒繻子が使われていました。
はじめ「引き抜き」をというものを祖母も私も知らず、不思議に思っていました。
いろいろと調べ、祖母の前で実演して見せ、できたときには、二人とも感動しました。
 
が。
感激もつかの間。
 
解いた帯を見て、衝撃が・・・
 
 
表地は、ちょっとシミが浮いているだけで、丈夫だったのですが、裏の繻子は弱っていたようです。
一度締める真似事をし、畳もうとして見たら、ぼろぼろに裂けてしまっていました。
(後にアンティークショップの方に聞いたところ、繻子は弱いそうです)
 
 
どのみちこの帯は巾が狭く、普通にお太鼓にするには私には小さいのですが、あまりにもったいない。
 
なので、裏に新たな生地をつけてもらうことにしました。
使ったのは、ながもち屋で見つけた未使用の紋付の羽織(3,000円)。
きれいな羽織だったので思わず買ったのですが、私には小さすぎました。
これを解き、仕立ててもらったところ、ちょっと変わった帯に出来上がりました。
 

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曾祖母、祖母、それから羽織の持ち主にとっても嫁入り道具だったらしいので、女三人の歴史がこもった帯です。
大切に、でもしまいこまずにせっせと使おうと思います。

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コメント

本当に箪笥から(今回は上置ですが)色々と出てくるんですねぇ。
渋くて綺麗な帯で、裏のくす玉も良い感じです。
脈々と・・・花兎さんで4人目ですね。
せっせと締めてあげてくださいね~

投稿: uzuz | 2006年7月29日 (土) 23時25分

uzuzさん
到底お見せできないようなボロ雑巾のようなモノも出てきています(笑)。
帯もですが、羽織の方も、「もったいない」「いつか使おう」と思っているうちに着用時期を逸しちゃったんでしょうね・・・元の持ち主の分も愛用しようと思います。

投稿: 花兎 | 2006年7月30日 (日) 07時31分

ああ、良い色柄ですねぇ。
こういう帯を見るたびに、なんで今は素晴しいお手本があるんだし技術は進んでいるはずなのに、こういうニュアンスが出せないんだろう?と、本当に不思議に思います。
アンティーク風って、あくまでも「風」なんですよねぇ。
花兎さんが大事にお手入れされて生き返らせてらっしゃるのも、良いなぁ、と思います。

投稿: りら | 2006年7月31日 (月) 04時01分

りらさん
昔のものからは(それが高級品でも、この帯みたいに庶民クラスのものでも)、何か息吹のようなものを感じます。
不思議ですよね。
それにしても、嫁入りに持ってきたにしては地味な帯ですよねー。その頃は娘の着物も地味だったんでしょうか。

投稿: 花兎 | 2006年7月31日 (月) 21時40分

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